魅力ある事業内容・職場とは~飛鳥晴山苑(東京都北区)の紹介~

職員にとって魅力のある事業内容・職場とは

社会福祉法人晴山会 就労・生活支援センター飛鳥晴山苑(東京都北区)

 

社会福祉の職場における人材不足が深刻化している。少子高齢化にともなう労働力需要が旺盛な今日、人材の募集に注力しなければ法人・施設の生き残りは難しいといっても過言ではない。

そのような中、若い職員の力を引き出しながら、地域における障害者支援をトータルで進めている施設がある。今回は、社会福祉法人晴山会の就労・生活支援センター飛鳥晴山苑の取り組みを紹介する。

「地域から信頼を得られる施設づくり」を追求

当施設の開設は2008(平成20)年で、東京都北区の「東京外国語大学西ヶ原キャンパス跡地福祉施設整備事業」への公募がきっかけであった。

理事長の平山登志夫氏は、「地域から信頼を得られる施設づくり」という法人の理念に基づき、当事業所の運営理念を「可能な限り365日24時間カバーできる支援体制を目指した日中活動の実施」と定め、①生活介護、②就労移行支援、③就労継続支援B型、④自立支援(機能訓練)、⑤短期入所、⑥一般相談支援、⑦地域生活支援事業の7事業を実施する多機能型事業所としてスタートさせた。

飛鳥晴山苑トップ画像
【施設HPでも24時間365日の支援を行っていることをPR】

多機能型の施設で24時間365日の支援を軌道に乗せるために、職員は一人二役どころか三役もこなすことが求められた。さらに支援員は、生活支援に加えて日中活動プログラムの充実を図る必要もあったため、不満や疑問も噴出したという。

それでも北区や法人本部との協議を重ねてPT・OT・STといった専門職やボランティアの配置で工夫を凝らし、日中活動プログラムを充実させてきた。

現在では、日中活動支援、生活支援、宿直業務といった業務体系が確立しており、さらに、職員主体で改善を目指す委員会も展開するようになっている。

こうした取り組みの結果、施設運営が軌道に乗って運営する事業も増え、区からの委託事業を含めると2017年7月現在で14事業を実施するに至っている。

【就労・生活支援センター飛鳥晴山苑 運営事業一覧】(2017年7月)

1 生活介護
2 就労継続支援B型
3 自立訓練(機能訓練)
4 短期入所
5 放課後等デイサービス
6 居宅介護
7 行動援護
8 重度訪問介護
9 移動支援(個別支援型、車両型)
10 日中一時支援
11 一般相談支援
12 特定相談支援
13 障害児相談支援
14 滝野川地域障害者相談支援センター(北区委託事業)

24時間365日をカバーできる特色のある日中活動

24時間365日をカバーする生活介護事業所に必要な日中活動として、宿泊や入浴に注力しているのも当施設の特色である。

宿泊については、短期入所の利用とは別に「苑内宿泊」と題して実施している。年に10回程度、希望する利用者が2泊3日の日程で、同じ活動をしているグループの利用者と一緒に宿泊している。職員が作る食事を食べたり、デリバリーを頼んだりと、普段の生活とは違う和気あいあいとした雰囲気を皆で楽しんでいる。また、施設外の宿泊行事も実施している。

また、生活介護に通所している利用者の入浴支援についても、自宅において訪問入浴やヘルパーによる介助浴が満足に受けられない場合があり、利用者・家族から好評を得ている。

日常的な活動としては、創作活動や運動療法といった活動のほか、夏季のプールや移動水族館などのイベントを施設内で実施できるようにしている。

さらには、PT・OT・STによる身体能力・日常生活能力の維持向上などのリハビリの視点を取り入れた活動も行われている。

飛鳥晴山苑プール
【夏季には本格的なプールを設置】

 

飛鳥晴山苑移動水族館
【施設内で行う「移動水族館」では水辺の生物との触れ合いも】

若い職員を引きつける要素 ~多機能型事業所という魅力と年収モデルの提示~

飛鳥晴山苑の中を見回ってみると、若い職員が多いことに気づく。これは、新卒者を毎年一定数採用していることによる。

他施設で経験を重ねたベテランの職員もいるが、職員を安定的に採用するために施設開設時から新卒者採用を重視している。そのために新人職員向けのOJTをしっかりと確立し、やる気のある職員であれば一人前に育つように施設がサポートをしている。

そうした若い職員を引きつける要素として、当施設の多機能型事業所としての魅力が挙げられる。
職員に話を聴くと、「就職活動をしている時に、いくつか選択肢があったが、多機能型で色々な経験を積め、自分の成長にプラスになると思えた」という意見が多い。

通所のみの事業所よりは利用者との関わる時間が長く、さらには生活支援だけではなく就労支援や相談支援といった支援の専門性の幅も広いということが、福祉の現場を志す学生を引きつける要素となっている。

また、将来の年収モデルを明示している点でも特徴的である。

初任給の水準に加えて、順調にキャリアを重ねた場合に到達できる3年目・5年目・10年目での年収モデルを就活サイトで提示をして、処遇面での魅力を高める努力をしている。

【就活サイトに提示している年収モデル】(2017年7月)

大卒・社会福祉士の場合(賞与・処遇改善費・諸手当含む)
1年 /23歳 /3,487,740円 /うち月給290,645円/生活支援員
3年 /25歳 /4,146,600円 /うち月給345,550円/生活支援員
5年 /28歳 /4,660,362円 /うち月給388,363円/副主任
10年 /33歳 /5,029,728円 /うち月給419,144円/主任

特別座談会)若手職員からのメッセージ

今回の取材では、4人の若手職員に座談会形式で話を聴く機会を設け、これから就職を希望する学生に対してのメッセージを語ってもらった。

参加者)
Fさん(男性・3年目)
Nさん(男性・2年目)
Mさん(女性・3年目)
Kさん(女性・1年目)

飛鳥晴山苑座談会1
【若手職員にそれぞれの思いを語ってもらう】

Q 飛鳥晴山苑に就職したきっかけは?

もともと知的障害者支援の現場で働きたいと思っていたが、専門学校の求人票をもらって複数の施設を見学した結果、他の施設と比べて働いている人たちの雰囲気が良いと思った。

また、利用者様も小学生から大人の方まで幅広い年齢層の方がいらっしゃって、自分のスキルアップにつながると感じたことが決め手だった。

高校生の時に、福祉職が今後も需要がある仕事だと思い、福祉系大学に進学した。就職の際には給与面も含め、重視していたが、当施設は他の施設と比べて良い条件だった。

もともと障害者支援に興味があり、福祉系大学に進学した。それ以外にも児童館や老人ホームでボランティアをしていた。

見学した時に雰囲気がいいなと思った。多機能型の施設で、利用者様と色々な関わりができることでスキルアップにつながると思った。自宅から離れており、仕事とプライベートの切り替えがしやすいと思えたことも良かった。

多機能型施設の当施設を見学した時に視野が広がった。精神保健福祉を専門に考えていたが、地域の中で色々な関わりができると思い就職した。

Q これまで経験したことと、現在の目標は?

現在2年目だが、1年目はあっという間だった。緊張することが多かったが、支援の面での考えを深めながら取り組んでいる。この人の家族が現場を見ていたらどう思うか、ということを意識しながら精一杯できることをしている。

慣れないうちは一日が一瞬で終わると感じるほど大変だったが、とても充実していた。「この人は何ができるか」という可能性を探るのが楽しい。色々なコミュニケーションの取り方を試している。

現在は後輩が出来たので、しっかりと学んだことを伝えていきたいと考えている。

これまでは仕事を覚えることに精一杯だった。記録の書き方を注意されたことがあり、ちゃんとした記録が取れるように勉強するようになった。

利用者様との意思疎通ができていると感じることが仕事をする上でうれしい。

後輩が入ってきて教える立場になったが、自分なりの教え方を模索している。後輩が自分で考えることを大事にしたいと思っている。

今年、就職したばかりなので毎日が勉強で吸収しなくてはいけないことが多いが、充実している。働きながら、精神保健福祉士の資格を取得することを目標としている。

Q 職場としての飛鳥晴山苑の良い所は?

職員同士がいい雰囲気で働けている職場だと思う。一緒に働いている職員の印象が良い。

職員同士のコミュニケーションも大切にしており、職場以外での交流もある。メリハリがある。

若い職員が多く、色々なことが聞きやすい。資格取得を後押ししてくれる施設なので、サービス管理責任者や相談支援専門員などの資格を取れるように頑張りたい。

利用者様とのコミュニケーションを重視しており、とてもやりがいのある職場だと思う。

色々なことが学べる職場だと思う。利用者様の特性も様々で、夜間の様子や家庭の状況なども把握した上での支援なので、とても勉強になる。

Q 就職を考えている学生へのメッセージ

当施設で働くと、生活介護での行事を重視しているので、利用者様の色々な表情を見ることができる。利用者様の理解を深め、自分がどう関わるかを考え、実践できる喜びがある。

福祉以外の分野の学生さんにも、福祉の現場をもっと知ってもらって興味をもってもらいたい。障害福祉の現場には常に「新しい発見」がある。それを職員同士で共有できる喜びもある。

仕事をしている時に「笑顔」になれることはありますか?と聞いてみたい。福祉の職場には「笑顔」があります!

対人支援の仕事なので、大変な時もあるが、利用者様に喜んでもらえると、自分も嬉しくなり、それがやりがいにつながる職場だと思う。

男性と女性の職員比率でみると男性職員が少ない。是非、男性に就職してもらいたい。職場以外での飲みにケーションも充実しているので、それも楽しみにしてください!

対人支援にはコミュニケーションがつきものなので、人と話すことが好きな人にお勧めです。会話が途切れることはないので、精神的にもゆとりができる。

また、コミュニケーションといっても手話や文字盤によるコミュニケーションもあり、そういうことは普通の生活ではなかなかない場面だと思う。

人とどう関わることができるか、を考えることができる楽しい職場です!

「人のために何かしたい」という人にお勧めの仕事です。福祉の現場で学んだことは日常生活でも役に立ちます。街中で困っている人に積極的に声掛けして、できることが増えると思います。

利用者様と関わってみて、勉強になることばかりです!

飛鳥晴山苑座談会2
【飛鳥晴山苑を支える若手に期待!】

 

地域に必要とされる事業を展開することが、学生にとっての魅力につながる

飛鳥晴山苑は、「地域から信頼を得られる施設づくり」という法人理念の実現を目指した展開を図ってきた結果、多様な事業を実施する多機能型施設としての機能を確立した。

それは、利用者・家族にとっては24時間365日の支援を可能にするものであり、職員にとっては多様な支援を経験できるスキルアップに最適な職場ともなっている。

職員の育成にも積極的であり、若い職員に経験を積ませるとともに、サービス管理責任者や相談支援専門員などの資格を積極的に取得させるように働きかけている。

地域に必要とされる事業を実施することで、職員にとっての魅力を向上させている飛鳥晴山苑の運営は、職員の採用が大きな課題となっている今日、他の施設においても参考になる点が多い。

職員の採用で課題を抱える施設は、自らが提供するサービスを、職員にとって魅力あるものになっているかという視点で振り返ってみることも良いのではないだろうか。(記:2017年8月15日)

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